blog»ブランド・マーケティング»Meta広告のROAS改善 クリエイティブ量産と最適判断のポイント
大森 葵
2025年03月23日
この記事は約5分で読めます。
広告運用を経験すると、驚くほど短期間で広告の効果が落ちることを痛感します。Meta広告を検証目的で運用する場合の広告の消費期限は、体感としてわずか2~3日程度。1つの広告が持つ寿命は極めて短いのです。
この前提を理解すると、「どんな広告を配信するか?」だけでなく、「どれだけのスピードで広告を試し、効果を判断し、そして改善し続けられるか?」が広告運用のカギになることが見えてきます。
特に、広告費が日々消化されていく速さを実感すると、運用にはリアルタイムでのシビアな判断力が求められることがわかるはずです。
この記事では、新興アパレルブランド「HAPPY NOCNOC」の広告運用事例を交えつつ、Meta広告の運用に大きく影響する広告クリエイティブの重要性と、効果的な判断を支える準備について解説します。
広告運用は、常に判断の連続です。なぜなら、広告を出している限り予算は消化され続け、そのコストが必ずしも売上につながるとは限らないからです。
また、広告の成果を評価する際に陥りがちな罠もあります。広告運用では、成果が出るまで最適化を待ち続ける戦略がありますが、それは必ずしも正解ではありません。特に Meta広告では、初動が悪いクリエイティブは、最適化を待っても成果が出ないまま終わるケースが多いと感じています。
「もう少し回せば最適化が進んでCVが増えるかもしれない」と期待している間に、気づけば大金が消えていることも。判断を先延ばしにするのは、広告運用において最も危険なことの一つだと思います。
特にHAPPY NOCNOCのように立ち上げたばかりで、どの商品のどんな訴求がどんな消費者に魅力的に感じていただけるのかが明確に確立されていないうちは、冒頭のように2-3日ペースでどんどん判断していくことが重要です。この素早いPDCAサイクルが、効果的な広告運用の鍵となります。
では、「何をもって広告を評価し、判断を下すか?」この問いに常に正しいと言える正解はありません。広告のターゲットや目的によって、見るべき指標や評価軸が異なるからです。しかし、だからといって明確な判断軸を持たずに運用を続けることは避けるべきです。
例えば、広告で売ろうとしている商品の価格が5,000円だとしましょう。この場合、広告費5,000円まで回して1CVも生み出せなかったら、その広告は明らかに赤字です。単純な計算ですが、こうした基準を持つことで冷静な判断が可能になります。
HAPPY NOCNOCでも上記のようないわゆる「ROAS(広告費用対効果)」を最重要指標として広告を運用しています。また、認知獲得狙いの広告ではCTRを重要視したり、その広告からの購買の有無で判断基準を変えたりしています。ファネルの段階に応じて、適切な指標を選択することが重要です。
いずれの場合でも、「どのタイミングで広告を止めるか?」 という明確なルールを持たずに運用を続けると、ダメな広告に無駄な予算を投下し続けることになります。
例えば「3日間で○○円以上の広告費を使って、ROASが△△以下なら停止する」といった具体的な基準を設けることをお勧めします。こうした判断を素早く下すためにも、重要なのはクリエイティブの量産体制を整えることです。
広告の寿命が短い以上、次々と新しいクリエイティブを投入し、検証し続ける体制を作ることが必要です。この際、以下のポイントを意識することが重要になります。
「とにかく質の高い広告を作れば、効果のある広告が生まれる」と考えがちですが、実際は逆です。まずは 「量を生むこと」 が重要であり、そこから質の高い広告が生まれてくるのです。
つまり、最初から完璧なクリエイティブを目指すのではなく、「とにかくテンプレートを量産し、その中から効果的なものを運用を通じて見つける」 ことが、成功の近道になります。実際に市場の反応を見ることで、どんな要素が効果的かが明らかになり、次第にクリエイティブの質も向上していきます。
広告クリエイティブ量産のための準備 広告の効果を最大化するためには、「いかにしてクリエイティブを量産できるか?」がポイントになります。そのために、以下の2つの要素を考慮し、量産体制を整えることが重要です。
広告クリエイティブを量産するには、それ相応のリソースが必要です。特に人的リソースは重要で、日々数十本の広告を作成・管理する体制がなければ、スピード感のある運用は難しくなります。デザイナーや広告運用者の連携を円滑にし、効率的な制作フローを確立することが大切です。
また、今後はこの領域でも AIの活用 がさらに進むことで、制作の自動化や最適化が可能になると考えられます。例えば、画像生成AIや文章生成AIを活用してバリエーションを増やし、A/Bテストのためのクリエイティブを素早く作成することができます。AIを活用しながら、オペレーションを効率化していくことも重要な視点です。
必ずしも広告クリエイティブをゼロから考える必要はありません。外部のツールやサイトで徹底的にリサーチし、成功事例を模倣することが、より効率的な方法です。
独自のアイデアを生み出すことも重要ですが、すでに市場で一定の成功を収めている広告を参考にすることで、その広告自体も成功する確度が高まります。具体的には、以下のようなサイトやツールを活用すると良いでしょう:
また、この方法は、ノンデザイナーが広告クリエイティブを発案する必要がある場合は特に重要です。白紙の状態から考えると、デザインアイディアを考えたり、そこからブリーフに落とし込んだりすることに時間がかかってしまう可能性が高いからです。
このようなことを踏まえると、ある程度の成功が見込まれやすい既存のデザインを参考にすることは非常に有効で、検証スピードを圧倒的に上げることができると言えます。ただし、単なるコピーではなく、自社ブランドや商品の特性に合わせたアレンジを加えることを忘れないようにしましょう。
広告運用において、クリエイティブは 「作って終わり」ではなく、「試して改善し続けるもの」 です。 そのために必要なのは以下の3つです。
繰り返しになりますが、広告の寿命は2~3日ほど。待っている暇はありません。「とりあえずもう少し様子を見よう」と悠長に構えていると、期待した成果を得ないまま、広告費だけを浪費してしまいます。だからこそ、いかに 「素早く判断し、次の一手を打てるか」 が、広告運用の成否を分けるのです。
最後に、広告運用はPDCAを素早く回すことが重要ですが、そのデータと学びを蓄積し、次のクリエイティブ制作に活かす仕組みも忘れないようにしましょう。過去の成功パターンを分析し、それを再現可能な形で活用することで、効率的な広告運用が実現できます。
今回は広告単体に絞って、運用に関するアイディアをご紹介しました。ですが、実際には、広告だけではなく、その遷移先となるランディングページと合わせて、一連での分析や改善といった運用を行わねば、根本的なCV改善に至らないこともしばしばあります。
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