blog  image

Meta広告は“型”で回す!3項目6要素で考える広告効果 最大化のためのクリエイティブ量産術

author avatar

大森 葵

2025年04月13日

この記事は約7分で読めます。

広告運用において「クリエイティブの量産」は、成功への必須条件です。しかし、単に数を増やすだけでは効果的な結果は得られません。

本記事では、前回に引き続き、リンクコーデをメインコンセプトに提唱する新興アパレルブランド「HAPPY NOCNOC」のMeta広告の運用実績から見出した、戦略的な広告クリエイティブ量産の考え方とその実践方法について、3項目6要素で、実際の広告画像も交えながら詳しく解説します。

💡 関連記事:Meta広告のROAS改善 クリエイティブ量産と最適判断のポイント

なぜクリエイティブの量産が重要なのか

デジタル広告の世界では、同じクリエイティブを使い続けると「広告疲れ」と呼ばれる現象が発生します。これは、ユーザーが同じ広告を繰り返し目にすることで興味を失い、クリック率やコンバージョン率が低下していく状態です。

クリエイティブを量産することで、この問題を解決し、常に新鮮な印象をターゲットに与えることができます。しかし、ここで重要なのは「検証軸に合わせたバリエーション」の作成です。闇雲に量産するのではなく、仮説と検証のサイクルを回すための戦略的な量産が求められます。

検証軸とは何か

検証軸とは、広告効果を測定・比較するための基準です。例えば以下のような軸が考えられます:

  • CTR(クリック率)を向上させる要素は何か
  • CVR(コンバージョン率)に影響を与える要素は何か
  • ブランド認知向上に効果的な表現は何か
  • ターゲット層ごとの反応の違いは何か
    これらの軸に沿ってバリエーションを作成することで、単なる量産ではなく、意味のある検証と改善のサイクルを回すことができます。

今回は以下の3項目合計6要素で解説していきます。

1.テンプレートでバリエーションを出す
2.コピーでバリエーションを出す
 2.1 訴求の方向性
 2.2 コピーの言い回し
3. 視覚情報 (画像やデザイン)でバリエーションを出す
 3.1 商品画像
 3.2 カラーバリエーション
 3.3 デザインカラー・トーン

戦略的なバリエーションの出し方

1. テンプレートでバリエーションを出す

1つ目の項目は、テンプレートです。言い換えると、広告のレイアウトやデザインそのものです。言うまでもなく、広告クリエイティブのテンプレートは無数にあります。

しかし、さまざまなテンプレートを作成し、広告配信する過程で、効果的なテンプレートと、そうではないテンプレートが明確に分かれてきます。したがってまずは、効果的なテンプレートを探すことが重要なのです。

また、基本となるデザインテンプレートを複数用意し、その枠組みの中で要素を変化させる方法をとれば、一貫性を保ちながらも多様なクリエイティブを生み出すことができます。

この方法が特に効果的なのは、新商品を扱い始めた時や、これまでとは異なる商材の広告を運用し始めた初期段階です。この段階では多くの場面において、その商品やサービスの効果的な見せ方がわかっていないケースが多いと思います。

そこで、単にコピーや画像といった要素ではなく、それらも含めたいわば「広告クリエイティブの型」ごと、最適なものを探す動きから始めることで、鍵となる「効果的な商品の見せ方」を見つけることにつながるのです。

具体例:
レイアウトの差異:テキストが右・画像が左のパターンと、その逆のパターンを用意する
情報量の差異:詳細情報を全て載せるパターンと、最小限の情報に絞ったミニマムパターン

次に、2項目以下のご紹介に入ります。広告クリエイティブを構成する要素はさまざまです。そこで今回は、「コピー」と「視覚情報 (画像やデザインのトーン)」に大きく分け、細分化しながら要素におけるバリエーションの増やし方をご紹介します。

2.コピーでバリエーションを出す

2.1 コピー (訴求の方向性)

商品のアピールポイントや訴求の仕方が複数考えられる場合は、訴求軸を変数にしてバリエーションを増やすのがおすすめです。

例えば、あるスニーカーに対し、「通気性や軽さといった着用感の良さ」、「足を考慮した設計」、「洗濯機で丸洗いできるお手入れの簡単さ」などの複数の訴求点が挙げられたとします。

もし、これらのうちのどれが消費者にとって最も魅力的に映るものかがまだ明確でない場合は、これらを軸に広告クリエイティブを作成するのです。

2.2 コピーの言い回し

上記の訴求軸で2つ目の「足を考慮した設計」が最も見込みある訴求だったとしましょう。その次にこれをどう表現するかという観点でも検証を進めることができます。

「足の成長をサポート」とするのか、正しい着用姿勢を維持できる設計ゆえの「外反母趾や扁平足といった足のトラブル予防」を強調するのか、あるいは、特に幅を広めに設計していることに焦点を当てて、「幅広の子どもも安心」とするのか、などです。

これでも受ける印象や価値がかなり変わるため、より深く訴求の方向性を見極めたい場合にはおすすめのアプローチです。

3. 視覚情報 (画像やデザイン)バリエーションを出す

クリエイティブに使用する画像でも、幾通りにもバリエーションを考えることができます。それぞれおすすめの使い分けを簡単にご紹介します。

3.1 商品画像

商品の見せ方のバリエーション

  • 商品単体
  • 着用写真
  • 商品の細部にフォーカス

視点のバリエーション

  • 商品単体のクローズアップ写真
  • 使用シーンを示す写真
  • 複数商品の組み合わせ写真

上記を試すことで、商品そのもののデザイン性の高さやディテールなどを強調した方が良い商品と、使用シーンやそれによる効果が連想できる見せ方をした方が良い商品など、商品の見せ方に関するインサイトを得ることができるでしょう。

人物の有無と人数

  • 人数人物なし(商品のみ)
  • 人数:1名か2名以上か
  • 年齢:大人か子供か

上記は、アパレル系のECの場合に特に向いている検証です。特に今回ご紹介しているHAPPY NOCNOCのように、大人と子どもの両方をターゲットとする商品を展開している場合、そして複数人でさりげなくお揃いにする「リンクコーデ」を提案している場合、この方向性の検証は非常に大きな意味を持ちます。

子どもだけ・大人だけの着用画像が効果的な時もあれば、大人と子どもの写真を使い、リンクコーデの雰囲気が視覚的にわかりやすいクリエイティブが効果的な時もあります。

3.2 カラーバリエーション

商品そのもののカラーバリエーション

複数のカラー展開のある商品を広告で扱う場合、テンプレートやコピーは同じで、商品のカラーを変えることで、反応の違いを見ることができます。

ここで面白いのが、広告で反応の良い色と、実際に売れる色が異なるケースも存在することです。広告で人目を引くアイキャッチな色や、実際に購買につながる主力カラーを見極めることができます。

3.3 デザイン・カラートーン

同じ商品や画像でも、クリエイティブ全体の雰囲気でもパフォーマンスが変わります。

例えば、大人向けのシンプルなデザインと機能美を強調したスニーカーの場合、ややポップな印象のクリエイティブよりも、落ち着いたカラーのものの方がパフォーマンスが良かったのです。

なお、検証もさることながら、クリエイティブの作成時点でターゲットとする顧客像に合わせたデザインにすることもまた重要です。

テンプレートライブラリで管理を

クリエイティブを効率的に量産するために、テンプレートライブラリを作成することをおすすめします。

成功しているデザインパターンをテンプレート化し、他の商品やサービスに再利用できるようにしたり、過去のテンプレートをすぐに確認できることで、作成の重複を避けることができたりと、運用上の効率化につながります。

広告クリエイティブだけで解決しようと思わない

クリエイティブの量産と並行して、全体のユーザージャーニーを最適化することが重要です。いくら優れた広告を作成しても、ユーザーが到達するページが期待に応えられなければ成果には繋がりません。

  • ランディングページとの一貫性確保
    特に、最も重要なのが、広告とその遷移先となるランディングページの一貫性です。主に3つの一貫性があります。
  • ビジュアルの一貫性
    広告で使用した画像や色使いをランディングページでも踏襲し、ユーザーに違和感を与えないようにする。
  • メッセージの一貫性
    広告で訴求した訴求やオファーを、ランディングページでもすぐに確認できるようにする。
  • トーン&マナーの一貫性
    広告のトーンや雰囲気をランディングページでもキープする。

広告とランディングページの相乗効果を確認

クリエイティブの効果を正確に測定するために、Ptengineのようなヒートマップツールの活用が効果的です。ユーザーの行動を視覚化することで、どのクリエイティブ要素が効果的で、どの部分に改善の余地があるかを把握できます。

Ptengineの3つのヒートマップ (左からクリック・アテンション・ページ分析)

広告とランディングページの最適化を支えるPtengine

Ptengineのヒートマップ機能の1つである「ページ分析 / SLPO」は、広告とLPの相乗効果を実現することに特化しています。

  • ユーザー行動の詳細解析
    LP上の各コンテンツを「ブロック」や「要素」単位で自動的に分割し、インプレッション、クリック、コンバージョンへの貢献度を定量的にレポートします。
    これにより、広告から流入したユーザーがページ内のどの箇所に関心を示し、またどこで離脱しているかをピンポイントで明確にすることができます。
  • セグメント分析でターゲットに合わせた最適化
    デバイス、流入元、新規/リピーターなどの条件でユーザーを細かく分類し、各セグメントごとのLP上での行動を比較できます。
    例えば、異なる広告クリエイティブから同一のLPに遷移する場合、セグメントで、utmパラメータを用いて、流入元となる広告クリエイティブを指定し、比較をすれば、クリエイティブごとのLPのパフォーマンスを見ることができます。(下図参照)
セグメントを使えば、複数ヒートマップを一気に比較確認できるように

終わりに

広告クリエイティブの量産は、闇雲に数を増やすのではなく、明確な軸に基づいたバリエーション作成が重要です。

テンプレート、画像などの要素を戦略的に変化させながら検証を進めていきましょう。また、広告クリエイティブだけでなく、ランディングページとの一貫性確保や全体のユーザージャーニー最適化も忘れてはなりません。

成功するデジタル広告運用の鍵は、「量」と「質」のバランスを取りながら、検証と改善のサイクルを素早く回し続けることにあります。

また、最後にご紹介したPtengineでは、ファーストビュー離脱率など、広告やLP分析との相性が良い指標を確認できるヒートマップ機能を始め、ページの最適化がより迅速に進むA/Bテスト機能、Web接客機能など、機能がオールインワンで揃っています。

無料からご利用いただけますので、ご興味をお持ちの方は、ぜひ製品サイトよりご覧ください。

Ptengine製品サイト

最新のマーケティング情報をLINEで発信中!

マーケティングやビジネスに関する情報を発信しています。LINE公式アカウントの友だち追加はこちらより。

LINE公式アカウント

いかがでしたでしょうか?ぜひシェアをお願いいたします。